クラシック全般

ニューヨーク・フィルの本番でiPhoneが鳴ったとき指揮者はどうした?


ニューヨーク・フィルの演奏会中にiPhoneが鳴ってしまうという大事件が起きました。そのとき指揮者はどう対応したのでしょうか?

話題の事件


ニューヨークタイムズ」によれば、その事件は音楽監督のアラン・ギルバート氏がニューヨーク・フィルを指揮しているときに起こりました。

演奏中の曲はグスタフ・マーラーの交響曲第9番。しかも終楽章のクライマックス、morendo(死に絶えるように)という極めて静かな場面で異音が鳴り響いたのです。

すぐさま異変に気づいた指揮者、オーケストラ、そして観客たち。しかしすぐにiPhoneは鳴りやみません。しだいに観客の怒りは増していったそうです。

異様な時間が経過する中、ギルバート氏は演奏を止めました。そして犯人と思われる最前列に座っていた高齢の男性に近づき、「音は止まりそうですか?」と声をかけたと言います。

ようやく音が止まると、ギルバート氏はクライマックス直前の強奏部分から再度演奏しました。

この出来事はアメリカの各種メディアやSNSで話題となり、iPhoneの所有者による釈明も求められました。

その男性は大いに反省し、指揮者のギルバート氏に直接謝罪もしたようです。

ギルバート氏の話では、「普通は音が鳴っても演奏は止めない。しかし今回は演奏に与えるダメージが大きすぎた」とのこと。

たしかにマーラーの交響曲第9番はギルバート氏にとって特別な曲。そのラストでiPhoneが鳴ってしまったとなれば、止めざるをえなかったでしょう。

ギルバート氏のダメージ・コントロールが見事とも言える印象的な珍事件でした。

指揮者アラン・ギルバート

1967年2月23日生まれ、米・ニューヨーク出身の指揮者/ヴァイオリン奏者。本名はアラン・タケシ・ギルバート。ニューヨーク・フィルの元ヴァイオリン奏者マイケル・ギルバートを父に、ヴァイオリン奏者の建部洋子を母に持つ。ニューイングランド音楽院でヴァイオリン、ハーバード大学で作曲、ジュリアード音楽院とカーティス音楽院で指揮を学ぶ。ヴァイオリン奏者としてフィラデルフィア管に参加するほか、クリーブランド管副指揮者、北ドイツ放送響の首席客演指揮者、ロイヤル・ストックホルム・フィルの首席指揮者などを歴任。94年にジュネーブ国際音楽コンクール指揮部門で優勝。2009年よりニューヨーク・フィルの音楽監督に就任。
出典:タワーレコード

ニューヨーク・フィル

ニューヨーク・フィルハーモニック(英語: New York Philharmonic)は、アメリカのニューヨークを本拠に活動しているオーケストラである。「アメリカ5大オーケストラ(英語版)(“Big Five”)」と言われるオーケストラのひとつ。英語表記の頭文字をとってNYPと略されることがある。オーケストラの運営は、法人である”The Philharmonic-Symphony Society of New York, Inc.”が行っている。
出典:Wikipedia-ニューヨーク・フィルハーモニック