クラシック全般

ゲルギエフってなんで爪楊枝で指揮しているの?本人が語った真実とは

先日、「世界一「上手」なボレロまとめ!超一流ソリストの技が光る」という記事でゲルギエフとロンドン響によるボレロを紹介しました。

演奏はもちろん素晴らしいのですが、YouTubeのコメント欄にあふれていたのが「なんでゲルギエフ爪楊枝持ってんの?」という内容。

しかも日本人だけでなく、外国人からも「I’m sorry, was he conducting with a toothpick?」と書かれる始末です。

たしかに言われてみれば、ゲルギエフの爪楊枝問題は気になるところなので、信頼できる情報から真実を明らかにしてみようと思います。

ゲルギエフが爪楊枝で指揮する理由

ゲルギエフが爪楊枝で指揮する理由が「レコード芸術2013年3月号」に書かれているという情報を見たので、さっそく取り寄せてみました。

そこにはゲルギエフに対するインタビューが掲載されており、思わず「なるほど…」と唸ってしまう真実が語られています。

“こだわらない”。それが解答です。マリインスキーでもロンドン響でも、オーケストラは私のことを信頼し熟知してくれているので、大きな棒で指示する必要がないんです。手を振り回す指揮者は、かえって指揮の”魔法”を殺してしまっている気がします。

フルトヴェングラーの話になりますが、学生だった頃の私は”彼はどうやってこんなルバートを作れたんだろうと”と不思議でたまりませんでした。でもある日、謎が解けました。

彼はね、”眼”で指揮しているんですよ。指揮棒でも腕でも手でもない。”眼”なんです。眼の中にすべての音楽がある。棒はどちらかというと邪魔しているかもしれない。それがわかってから、私も”手でどうにかしよう”という気持ちはなくなりました。

つまりゲルギエフは「眼で指揮すること」を第一に考えており、指揮棒は正直なんでもいいということですね。

またゲルギエフは友人と日本食レストランに行った際に指揮棒の話になり、自分のポリシーを証明するため、夜のニューヨーク・フィルとの演奏会はお店の「箸」で臨んだそうです。

今後ゲルギエフの演奏を見るときは、彼の”眼”にも注目してみたいですね。

ゲルギエフの演奏動画